西京漬けがしょっぱいときの対処法

西京漬けは、西京味噌の甘味と魚の旨味が合わさった上品な味わいが魅力ですが、時折「思ったよりしょっぱい」と感じることがあります。塩分や味噌の風味は魚の種類・脂の量・漬け込み時間によって変わり、家庭用の商品でも個体差が出ることがあるためです。しょっぱさの原因を理解し、適切な対処法を知っておくことで、仕上がりを均一に美味しく整えることができます。

ここでは、西京焼専門店の視点から、しょっぱくなってしまった西京漬けを美味しく楽しむ方法を詳しくご紹介します。

西京漬けがしょっぱく感じる理由を知る

西京漬けがしょっぱくなるのにはいくつかの理由があります。まず、白味噌は一般的な味噌に比べ塩分が低いとはいえ、魚にしっかり味が入ると塩味が前面に出ることがあります。また、魚の脂が少ない場合、味噌の甘味よりも塩味が強く感じられやすくなります。

さらに、漬け込み時間が長すぎると味噌が魚の内部まで深く浸透し、しょっぱさが強調される場合があります。魚の厚さや種類によって適切な漬け込み時間は変わるため、市販品でも“当たり外れ”が出ることがあるのです。

こうした背景を知ったうえで、家庭で美味しく調整する方法を見ていきましょう。

表面の味噌をしっかり落としてから焼く

もっとも簡単で効果の高い方法が、焼く前に表面の味噌をていねいに落とすことです。しょっぱさの多くは味噌に含まれた塩分によるため、表面をしっかりぬぐうことで味の強さを和らげられます。

キッチンペーパーで軽く拭き取るだけでも効果がありますが、気になる場合は軽く水ですすいでから、もう一度ペーパーで余分な水分を取って焼くとしょっぱさを抑えることができます。

ただし、水洗いしすぎるとせっかくの味噌の香りが弱くなってしまうため、軽めに行うことが大切です。

焼く前に“牛乳”や“酒”で表面を軽く拭く

味噌の塩気が強いときは、味を和らげる成分を持つ牛乳や酒が効果的です。表面の味噌を落としたあと、牛乳または酒を軽く含ませたキッチンペーパーで表面をやさしく拭くと、塩味がまろやかになり、焼き上がりの風味が整います。

牛乳にはたんぱく質が多く、味の角をやわらげる効果があります。一方、酒は香りを整え、塩分を穏やかに感じさせる働きがあります。

このひと手間だけで塩味が驚くほど改善され、上品な味に近づきます。

焼いたあとに“付け合わせ”で塩味をバランスさせる

焼き上がってからもしょっぱさが残る場合は、食べ合わせで味を整えることもできます。西京焼は副菜との相性が良いため、塩味を和らげる献立を組み合わせることで全体のバランスを取ることができます。

・ほうれん草や小松菜のお浸し
・大根おろし
・温かい白菜の煮びたし
・白いご飯

特に大根おろしは過剰な塩味を吸収し、魚の脂と味噌の甘味を引き立てる効果もあります。しょっぱさが強いときは、食卓全体の調和で整える方法がとても有効です。

漬け込み過ぎの西京漬けは“短時間加熱”が有効

漬け込み時間が長すぎてしょっぱい場合は、焼き時間を短めに調整することで、塩味の強さを和らげることができます。魚に火を通しすぎると、水分が蒸発して塩味が濃く感じられるため、弱火でじっくりではなく、やや短めの加熱時間を意識します。

西京焼は味噌が身を保護しているため、短めに焼いてもしっとりと仕上がりやすく、乾燥しにくいという特徴もあります。

食べきれないほどしょっぱい場合の“アレンジ方法”

どうしても塩味が強く、そのままでは食べづらい場合は、以下のようなアレンジによって美味しく生まれ変わります。

・西京焼のほぐし身で混ぜご飯
・お茶漬け
・卵焼きに混ぜる
・ポテトサラダに少量混ぜる

しょっぱいものを「調味料」として扱い、全体の味を引き立てるアイデアです。特に混ぜご飯は、塩味が全体にほどよく散り、風味豊かで食べやすい仕上がりになります。

おわりに

西京漬けがしょっぱく感じるのは、味噌の性質や魚の状態、漬け込み時間など様々な要因が重なった結果です。しかし、焼く前の処理や温め方、副菜との組み合わせ、アレンジレシピなど、対処法を知っていれば美味しさを取り戻すことができます。

西京焼は本来、甘味・旨味・香ばしさが調和した上品な料理です。少しの工夫で、理想的な味に近づけることができますので、ぜひご家庭でも今回の方法を試してみてください。

アクセス

京都駅2階南北自由通路より
駅ビル南エレベーターに乗り
京都駅ビル専門店街
ポルタスカイダイニング11階でお降りください

《駐車場》
京都駅ビル西第1駐車場
(6:00~24:00)
京都駅ビル西第2駐車場・東第1駐車場
(24時間営業)